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兵庫県猪名川町、道の駅前の田んぼの中の白い小さな自家焙煎の喫茶店 Cafe manna(カフェ マンナ)の店長とオーナーのブログです。

さてさて、3日からの川西阪急出店提供豆のブログも6弾目となりました。


今回はちょっと他よりお高めのコーヒー『イエメン マタリ スペシャル』の話です。



イエメンのコーヒーは精製処理に水を使うことを法律で禁じられているため、国内で栽培される全てのコーヒーが水を使わず実のまま乾燥させるナチュラルプロセスで精製されているちょっと特殊な国です。

また、エチオピアと並びコーヒー発見の地とする伝説がある国です。
(シェーク・オマールの発見伝説の方ですね。)
そういう伝説があるくらい古くからコーヒーが栽培されている国。


またかつてはエチオピアと並び『モカコーヒー』と呼ばれ、日本でも古くから愛されるコーヒーです。


このような古くからコーヒー生産を行っている国はエチオピアなどでも言えますが、品種改良があまりされておらず独特の風味を持っているものが多いのが特徴です。


フルーティーで華やかなエチオピアに対し、重厚でウイスキーやシガーのような重みのある風味を持っているのが特徴で、店長は飲むといつも「・・・次元。」とルパン三世の次元大介を連想します。
これ、どうでもいい情報でしたねww


さて、そんなイエメン。
お店で取り扱っている間、定期的に店長があるところに淹れて持って行っています。


それは、オーナーの仲良しだった弟で、つまり私の叔父さんのお墓です。


うちの叔父さんは店長が12歳の小学6年生の時に肝臓がんで亡くなりました。
身長が180cm以上、足のサイズも30cm近く、当時はアメリカ製の服や靴じゃないと入らないくらい大きくてガタイのいい人でした。


そんな叔父さんがオーナーに背中の痛みを訴え、病院に行って癌が発覚したのがなくなった前年の秋、もう末期で手が付けられない状態だったそうです。


その時オーナーに告げられたのは余命1カ月。
まだ40歳の叔父さんが向き合うにはあまりに酷な事実にオーナーは告知しないことを選び、皆が動揺しないように叔父の奥さんとオーナーの二人だけの胸にしまっておくことを決めました。


それから毎日、痛みに耐える叔父さんに付き添い励ます日々を送っていたオーナー。


そんなオーナーの苦労を知らず、大きかった叔父さんがやせ細っていく姿を見るのが嫌で見舞いに行きたがらない私たち。
今思うと、治ると信じたいのに、弱っていく姿を見たら現実を突きつけられるようで嫌だったんだと思います。


余命1カ月といわれた叔父さんは3カ月頑張ってくれました。
でも、私はたった2回しかお見舞いに行かなかった。


肝臓の病気はひどくなると全身の皮膚や白目の部分が黄色くなる黄疸が出始めます。
2回目にお見舞いに行ったときは一瞬で普通ではないとわかるくらい叔父さんの皮膚は黄色く、直視できませんでした。


向き合うのが怖くて、辛くてどうしてもそれからお見舞いにいけなかった。


そしてもうすぐ年が変わろうかという年末の夜、私と兄は何故お見舞いに行かないのかとオーナーに問われ、答えられずにいるとその日ついに叔父さんがもう長くないということを告げられました。


告げられた事実をうまく受け止められず、自分たちを落ち着かせるために私と兄は雪のちらつく夜、二人で外に散歩に行きました。
二人とも一言も発さず、ただ黙って歩き続けていたのを今でも覚えています。


それから叔父さんの容態は急変し、見舞ができる状態ではなくなってしまい、結局見舞いに行けないままその1週間後に息を引き取りました。


お葬式の日に祖父母の家に帰ってきた久しぶりに見る叔父さんは、明け方に亡くなったためすっかり冷たく、ガタイの良かった体は痩せ細り一回り小さくなっていて、まるで人形の様で悲しいとかより、なかなか現実を受け止められずにいました。


そして、49日が過ぎたころ私は物凄い後悔と自分への怒りで、自分自身を心から軽蔑していました。
それはまだ小学生だった私は叔父さんとの思い出が少なすぎて、大好きだったはずなのにお葬式の記憶が強烈すぎて、遺影を見てもしっくりこず、生きていたころの姿が背中しか思い出せなくなっていたからです。


自分はなんて薄情な奴なんだと毎日自分を責め続けていました。


そんな私が唯一ちゃんと覚えていたこと。
それが叔父さんがタバコとコーヒーが好きで、でも私の前ではあまり吸わないよう気遣ってくれていたことです。
だから叔父さんからはいつもタバコの残り香とコーヒーのにおいがしていました。

そう、イエメンのもつコーヒーとシガーの香りです。


だから何となく、叔父さんを思い出すし、きっと好きなんじゃないかな?と思います。
昔は叔父さんのことを思い出すと辛くて辛くてたまらなかったけど、今は思い出すとなんだか温かい気持ちになれます。


亡くなった人の思い出って、きっと亡くなった人の優しさなんでしょうね。
亡くなったことを受け止められるまでは、思い出は辛いものでもありますが、時間がたってちゃんと受け止められたら、思い出は穏やかな気持ちにさせてくれます。その時目の前にある辛いことや苦しいことを一瞬忘れさせてくれる力さえある。


それが店長にとっては思い出を刺激してくれるイエメンコーヒーです。
今回の阪急で今期の取り扱いは最後になります。最後の一杯はまた叔父さんに供えに行きたいと思います。
川西阪急で頑張ってきたよという報告とともに。


でも、やっぱりもっとたくさん思い出作っとけば良かったなと思います。
だからこのブログを読んでくださってる皆様は、是非大切な人とたくさん思い出を作ってください。
楽しい時はもちろん、辛い時も逃げずに向き合わないと店長の様に後悔します。


それはいつかやってくる別れの日に残す方になっても、残される方になっても。


だからたくさんの思い出を作ってください。
そしてそんな思い出の中に当店や当店のコーヒーがあれば嬉しく思います。


当店の大切なお客様ですごく素敵なご夫婦がいらっしゃいました。
でもご主人はもうお店に来ていただけなくなってしまいました。でも、奥様が今も足を運んでくださることで私たちも一緒にご主人さまの思い出に触れ、いつも温かい気持ちになれています。


本当に優しいご主人だったので、思い出すたびにとっても温かい優しさに包まれているかのような気持になれます。
奥様も私たちと同じような気持ちになってくださっていると良いな。と思うとともに、他のお客様にとってもそういう場所であったり、そういうコーヒーを提供できるお店でいられるようにこれからも頑張りたいと思っています。



はてさて、今回のブログ何故にこんな夜中に(現在夜中1:30です)書いたのかというと、
オーナーに読まさないためw


今では「てっちゃん(叔父のことです)が今生きてたらきっと毎日お店に通ってるやろうな~」って笑いながら話すオーナーですが、きっとこのブログ読んだら泣いちゃうww


なのでオーナーが読まないであろう時間に書きました。
皆さんも読んでイエメンを飲みに阪急に来ていただくのは大歓迎ですが、このブログのことはオーナーには内緒にしてくださいねw


あ!このブログに書いたシェーク・オマールの話やイエメンとエチオピアがなぜモカコーヒーと呼ばれていたのか気になった方は、是非川西阪急ご来店時に店長に聞いてくださいね。
影
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2019.07.01 / Top↑
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